Jeans & Development:2011年 04月の記事

放射能汚染についての生物学者としての見解 [放射能]

2011年4月24日

はじめに

東日本大震災に伴う、福島第一原子力発電所の事故発生から、1ヶ月以上が経っています。原発からの放射性物質の大規模な漏出はあらかた止まってはいるものの、すでに放出された放射能の量は莫大です[1-2]。すでに放出された放射能による健康被害は、少なからずあると言わざるを得ません。

以前、DNA修復に関して研究をなさっている柳田充弘先生がブログで、「わたくしは怒っている」という記事を掲載なさいました[3]。私もこのことに関して考えるところあり、また、柳田先生が指摘されている「DNA損傷修復に関わる研究者」の一人でもあります[4-5]。柳田充弘先生がこの記事をお書きになってから2週間経ちますが、その間、色々と考えていました。2週間経った今でも、意味のある情報ではないかと思いますので、考えたことをまとめてみます。私の研究分野と、関係のある事柄です。

扱う内容に関して、出来る限りの範囲で、情報の提供元を参照したいと思います。ただし、この記事は学術論文ではありませんので、専門家ではない読者の理解のため、差しさわりの無い範囲でWikipediaなどの情報をWebから引用します。こういった情報は、まれに間違った(あるいは偏った内容の)情報を含んでいることがありますが、ここで引用する限りにおいて、そういった不確実性を考慮する必要は無いような引用の仕方をしてあるつもりです。

政府と東電は、高濃度放射能汚染水漏出の健康への影響について、説明すべき [放射能]

2011年4月6日

まず、次の算数の問題を考えてみてください。水溶液の濃度の概念が入るので、理科の問題と言って良いかもしれません。中学生までに学習する内容だと思います。

ここに、濃い砂糖水576mlと、薄い砂糖水1万1500mlがあります。濃いほうは薄いほうの20万倍の濃度です。さて、どちらのほうがどれくらい多く砂糖が含まれているでしょうか?ただし、小数点以下は四捨五入して答えなさい。

答え: 576 ÷ 1万1500 × 20万 = 10017.39.... ∴ 濃い砂糖水の方が、薄いほうより、10017倍多い。


ここで出した3つの数字、576、1万1500、20万の3つの数字は次の事柄に関連します。